第9回 少額債権における回収〜強制執行②〜

1.強制執行を行うには

 強制執行を行うには、「債務名義」が必要になります。債務名義とは、具体的にいうと確定判決や、仮執行宣言付支払督促などをいいます。費用や時間をかけて裁判等を行うのは、この債務名義を獲得し、最終的には債務者の資産を差押えるために行うのです。

 

2.執行文

 執行文とは、債務名義が執行力を有していることを証明する文書です。少額訴訟判決、仮執行宣付少額訴訟判決、仮執行宣言付支払督促については執行文の付与は不要とされています。執行文が不要ということは、その分手続が簡易になり、迅速に強制執行が可能になるということを意味します。

 執行文付与の申立は、債務名義を作成した裁判所に所属する裁判所書記官等にします。

 

3.送達証明書

 強制執行を行うには、債務名義が債務者に送達されていることが必要とされており、強制執行申立には債務名義が送達されたことを証明する送達証明書を添付する必要があります。送達証明申請は、執行文と同様に債務名義を作成した裁判所に所属する裁判所書記官等にします。

 

以上の強制執行の流れを整理すると次のとおりとなります。

①債務名義の取得

②債務名義の送達申請(判決等を除く)

③執行文付与の申立

④送達証明申請

⑤強制執行申立

 

4.少額債権における強制執行の考え方

 少額債権における強制執行においては、債権執行に徹底的に磨きをかけることがポイントといえます。費用が安いため債権者側としても、あまり負担を気にせずに実行しやすいからです。

 少額債権の場合は、資産があるにもかかわらず「どうせ何もやってこれないだろう」と開き直っている債務者もいます。そうした債務者に対しては、強制執行までしないとプレッシャーがかからないという実情もあります。差押をすると、「こんな少額で差押を受けてはたまらない」となんとか支払いを行うことも多いものです。

 次回以降は債権執行について解説します。


 

 

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筆者紹介

司法書士法人F&Partners 代表社員北詰健太郎

大阪市中央区内本町一丁目1番1号OCTビル3階

ホームページ:http://www.mishukin.com/

主な著書、著作

 

「少額債権の管理・保全・回収の実務」(共著 商事法務 2015年)

「Q&Aと記載例から学ぶ!!BtoBの少額債権の管理・保全・回収の実務」(NBL1019号・1021号・1023号・1025号・1027号・1029号/商事法務)
「すぐ使える 債権回収基礎講座」(登記情報613号・616号・618号/金融財政事情研究会)ほか多数

 

 

一般社団法人全国銀行協会ホームページ:http://www.zenginkyo.or.jp/news/2013/12/05140000.html

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