第10回 少額債権回収に必要な社内体制

1.少額債権の対応には社内体制の整備が大切

 少額債権はあらゆる企業にとって悩ましいものです。企業規模の大きな会社さんであれば、法務部や審査部などの法律に詳しい担当の方が在籍されていますが、現実的にそこまで対応する時間がない、あるいは社内的にもうるさく言われないので、対応しない慣習になっているなどの事例が見受けられます。企業規模の小さな会社さんであれば、総務や経理の方が兼任になっていて、債権回収にそれほど詳しくなく、方向性が付けられないという事例があります。少額債権の対応には、まず社内体制を整える必要があります。今回はそのことについて解説をします。

 

2.回収するのか、しないのか

 自社の売り上げや、利益、人員などを総合的に判断し、いくらの以上の債権については積極的に回収行動を起こすのかを決めた方がいいでしょう。当然「そりゃ全部だろう!」という意見もあると思いますが、現実に年間どれくらいの未収がでるのか、現実に対応可能なのか、過去に対応してこれたのかなどのデータを基に検討することになります。

 回収をするには当然コスト(人件費等)がかかりますし、回収できないものをいつまでも抱えていなければならないことは、社員にとってストレスになります。あわせて金額ごとにどこまでの手続を行うのかも決定しておきます。

 

3.回収責任者の選定

 少額債権について対応していくと決まったら、責任者を選定します。あらゆる金額帯の債権についていえることですが、債権の未回収について責任の所在があいまいな会社が少なくありません。できれば異動が少ない方を責任者とするとよいでしょう。
 

4.部署間の連携

 少額債権の回収をするにあたっては、部署間の連携を大切にしてください。具体的には、経理部等の入金を確認する部署と回収を担当する部署、そして営業を担当する部署です。定期的にミーティングをして、未回収となった少額債権について共有を行うとよいでしょう。

 

5.回収をする期間

 少額債権の回収においては、回収を断念する期間もしっかり定めておいてください。いつまでもズルズルと付き合っているとコストがかかります。

 私が担当している会社さんでは、回収期間を1年ほどで定めている会社さんが多い印象です。期間内に回収ができなかったものについては、損金処理をしてしまいます。損金処理については、拙著「少額債権の管理・保全・回収」(商事法務,2015)に詳しく書いていますので、参考にしてください。債権回収は最終的には回収に成功するか、断念して損金にあげるかの二択になりますから、損金処理についても詳しく覚えておきましょう。



 

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筆者紹介

司法書士法人F&Partners 代表社員北詰健太郎

大阪市中央区内本町一丁目1番1号OCTビル3階

ホームページ:http://www.mishukin.com/

主な著書、著作

 

「少額債権の管理・保全・回収の実務」(共著 商事法務 2015年)

「Q&Aと記載例から学ぶ!!BtoBの少額債権の管理・保全・回収の実務」(NBL1019号・1021号・1023号・1025号・1027号・1029号/商事法務)
「すぐ使える 債権回収基礎講座」(登記情報613号・616号・618号/金融財政事情研究会)ほか多数

 

 

一般社団法人全国銀行協会ホームページ:http://www.zenginkyo.or.jp/news/2013/12/05140000.html

司法書士が代理人として依頼をお受けすることができるのは、紛争の目的の価格が140万円以内の事件に限ります。

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